解概念について

以下では自明な解,基本解,一般解(general solutions),特解&特殊解(particular solutions),特異解についての概念を改めて整理する.

有名どころの線形代数の教科書(斎藤,佐竹,三宅,内田他)に目を通したが,特に一般解と特解について明確な定義が書かれている文献がなかった.一方で微分方程式の教科書には早い段階で定義の形で書かれている.よって,まずは微分方程式の教科書に書かれている定義を眺め,線形代数の例題に目を通して演繹的に解概念を把握することが本レジュメの狙いである.

その前に復習

DEFINITION: 解全体が作る $Rn$ の部分空間を方程式の解空間という.(松坂)

本題

DEFINITION : 同次形(homogenitiy)の連立一次方程式はいつでも解 $x=0$ を持つが,この解のことを自明な解という.(三宅) DEFINITION : 任意の定数を用いて表される解を一般解という.(朝倉)
DEFINITION : 一般解の任意定数にある値を代入した解を特殊解という.(朝倉)
DEFINITION : 一般解の中の任意定数をどのようにとっても書き表すことができないような解が存在することもあるが,このような解を特異解という.(長瀬)\ DEFINITION : 同次形の連立一次方程式の解空間の一組の基を,その連立一次方程式の基本解という.(三宅)

種々の例

1.基本解について\ 以下のような問題(佐竹P111の問一(ⅰ)より)を解くことで基本解を求めることを考える. $$ x_1+x_2+x_3+x_4=0 $$ 解空間の自由度 $d(S)$ は 係数行列の行の個数 $-rank$(係数行列) $$=4-1=3$$ なので解空間の基底は $$3$$ であることが予想される. $$ \left( \begin{array}{ccc} 1\\ -1 \\ 0 \\ 0 \end{array} \right), \left( \begin{array}{ccc} 1\ 0 \ -1\ 0 \end{array} \right), \left( \begin{array}{ccc} 1\ 0 \ 0\ -1 \end{array} \right) $$ 確かに基底の数は$3$である.

2.一般解と特解について\ 以下のような問題(佐竹P113の問2(ⅱ)より)を考える.

$$ \begin{eqnarray} \left{ \begin{array}{ll} 2x_1 - x_2 - x_3 &= 1 \ -x_1 + 2x_2 - x_3 &= 0 \ -x_1 -x_2 + 2x_3 &= -1 \ \end{array} \right. \end{eqnarray} $$

まず, $x_3=0$ で固定することで特殊解 $\left( \begin{array}{ccc} 2/3\ 1/3 \ 0 \end{array} \right)$ を得る .一般解は $c\left( \begin{array}{ccc} 1\ 1 \ 1 \end{array} \right)+ \left( \begin{array}{ccc} 2/3\ 1/3 \ 0 \end{array} \right)$.ただし $c$ は任意定数である.

この例から分かるように一般解 $= c$(零空間の基本解) $+$ (特解)で表される.何故なら特解を $x_0$,一般解を $x$ としたとき,$Ax_0=b$ かつ $Ax=b$ で表すことができ,$A(x-x_0)=0$ と斉次の形に落とし込むことができるからである.

おちほひろい

Strangの教科書にはspecial solutions という概念が登場する.和訳には特解があてられており非常に紛らわしい.もちろんparticular solutions も登場し,これには特殊解と訳があてられている.special solutionsは解空間における標準基底のようなものと理解しておけばまあ良いのではないかと思う.   \[ xwer \]
\( xwer \)

$x+y+z$
$ x+y+z $
\$x+y\$